EGF (Epidermal Growth Factor:上皮成長因子) はアミノ酸から形成されるたんぱく質の一種です。体の皮膚の表面にある細胞に働きかけて分裂、集合を繰り返し新しい細胞を作るのを促進する働き、また傷ついた細胞の修復などを行う役割を持っています。EGFを発見した米国の生物学者スタンレー・コーエン博士は、1986年ノーベル医学生理学賞を受賞しました。
肌細胞は、一定の期間で新しい細胞が産生され、皮膚の表面に向かって少しずつ浮き上がり、古い細胞が表面から剥がれ落ちるという流れを繰り返しています。これを皮膚の「ターンオーバー」(新陳代謝)と呼びます。皮膚のターンオーバーの期間は、25歳前後をピークに28日間から、加齢に従って長くなり、個人差はありますが、通常50歳代になると75日、60歳代になると、100日前後と、古い皮膚細胞が表皮にとどまっている期間が長くなります。このことが、加齢によるお肌の様々な問題を引き起こす原因となっているのです。
EGFは、皮膚のターンオーバーを促進し、細胞の再生能力を維持する重要な役割を果たしています。もともと体内に存在していますが、年齢と共にEGFの分泌量は減少していきます。その結果、ターンオーバーのサイクルが長くなり、角質層が硬くなったり、くすみ・シミ・しわ・たるみ・カサカサ肌・毛穴の開き等様々な形で肌の老化現象が進んでしまうこととなります。
EGFを一定以上高濃度に配合したスキンケア商品は、これらの肌の老化現象を抑制し、潤いそして透明感があり、きめ細かく滑らかなお肌に再生する手助けをしてくれます。
EGFは、化粧品の正式成分名としては、ヒトオリゴペプチド-1(Sh-Oligopeptide-1)と記載されています。EGFの含まれている化粧水や美容液により、シワやたるみの改善、ターンオーバーの乱れにより発生する黒ずみやくすみの解消等アンチエイジングの効果を期待することができます。
何もエイジングケアをしない場合は、年齢によりターンオーバーサイクルが上記の表のよう長期化していってしまいます。お肌を若い状態に保つためには、EGFが配合された化粧水・美容液がとても有効です。
<注意点>
EGFは比較的どのような肌質の人にも使いやすい成分といわれていますが、次のような方は注意です。
- 敏感肌
- アトピー肌、アレルギー肌
- 炎症を起こしているニキビ肌
このようなトラブルのある状態で使用すると、まれに、肌が敏感に反応してしまう場合があります。
このため、トラブルがある人が使用する際には、低アレルギー処方のものを選び、はじめに目立たない部分で試してから使用することをお薦めします。
また、EGFは使ってすぐに劇的な効果が出るものではなく、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)の機能を高める働きをするため、効果の実感までにある程の期間が必要とされています。
だいたいの方が、使って2ヶ月目ぐらいから肌が変化したと感じるケースが多いようです。
M Dearのスキンケア商品では、
■Renew Lotion
■Renew Lotion Bright
■Renew Serum
の3商品にEGFが配合されています。
M Dearのスキンケア商品は、全て医師監修のもと、安全性が高く低刺激(オイルフリー・無香料・無着色・無鉱物油・動物性原料フリー・エタノールフリー・パラベンフリー)な商品として開発されていますので、基本的に敏感肌や、アレルギー肌の方もご使用いただいても問題はありませんが、まれに、敏感に反応してしまうケースもございますので、敏感肌やアレルギー肌等でご心配の方は、本格的にご使用になる前に、テスター等で目立たない箇所に塗布して反応を確認していただくことをお勧めいたします。
Renew Serum
には、EGF以外の成長因子であるFGF(繊維芽細胞増殖因子)とIGF(インスリン様成長因子)も配合されており、それぞれの成長因子の機能をお互いに高めあう相乗効果が期待できます。
■FGF(繊維芽細胞増殖因子)
FGFは真皮にある線維芽細胞というコラーゲンを作り出す細胞にはたらきかけ、成長と増殖を促します。EGFとFGFを一緒に使用することによりハリ・ツヤの成分であるヒドロキシプロリン(コラーゲンの一部の成分)の量が1.8倍アップされるという実験結果が出ています。
■IGF(インスリン様成長因子)
成長ホルモンに似た増殖因子で破損している細胞の修復を促進させ、細胞再生によって皮膚内で出た老廃物を対外に除去する作用もあります